ASEANでのキャリアを検討していますか? 6カ国それぞれに異なるキャリア事情

海外やASEANでのキャリアを考える際、東南アジアをひとつの大きな市場として捉えてしまいがちです。しかし、実際には国によって人材市場の状況は大きく異なります。
Reeracoen GroupはRakuten Insightと共同で、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの消費者およびビジネスリーダー計3,630人を対象に、 The Great Restructuring: ASEAN Consumer & Business Pulse Survey 2026 を実施しました。
日本は今回の調査対象に含まれていないため、日本人とASEANの回答者について、転職意向や将来への楽観度、懸念の度合いを直接比較することはできません。
一方、調査結果からは、ASEAN6カ国でキャリアを取り巻く環境がそれぞれ異なることが分かります。転職を検討している人の割合は、シンガポールの13%からインドネシアの29%まで幅があり、将来を楽観的に捉えている消費者の割合も、シンガポールの26%からベトナムの48%まで差が見られます。また、転職を検討している人のうち、AIや自動化を転職を考える要因として挙げた割合は、国によって25%〜39%となっています。
こうした違いからも、ASEANをひとつの市場として捉えるのではなく、国ごとの人材市場や雇用環境を見ることが重要です。同じような職種や企業であっても、シンガポール、ベトナム、インドネシアなど、働く国によって状況は異なります。
日本人がASEANでのキャリアを考える際には、「ASEAN」という地域全体の傾向だけでなく、実際に働く国ごとの特徴を理解することが大切です。各国の市場環境や職務の範囲、自身がキャリアで重視することをあわせて考えることで、より具体的にキャリアを検討しやすくなります。
本調査について
「The Great Restructuring」は、Reeracoen GroupとRakuten Insightが実施したASEAN6市場を対象とする調査で、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの消費者および企業のビジネスリーダー計3,630人を対象としています。日本は今回の調査対象に含まれていないため、本記事ではASEAN各国の市場環境を理解するための参考として調査結果を紹介しています。なお、日本との直接比較は行っていません。
主なポイント
・日本は調査対象に含まれていないため、この調査結果をもとにASEANと日本のキャリア環境を直接比較することは適切ではありません。
・転職意向は、シンガポールの13%からインドネシアの29%まで幅があります.
・消費者の楽観的な見方を示す割合は、シンガポールの26%からベトナムの48%まで幅があります。
・転職を検討している人の25〜39%が、AIや自動化をキャリア選択に影響を与える要因の一つとして挙げています。
・シンガポール、ベトナム、インドネシアなど、ASEANでは職種名が似ていても、国によって人材市場や働く環境は異なります。
2026年ASEAN市場の概要
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指標 |
調査結果 |
ポイント |
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転職意向 |
シンガポール13%〜インドネシア29% |
人材の流動性には、国によって大きな違いが見られる |
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消費者の楽観度 |
シンガポール26%〜ベトナム48% |
市場の景況感は国によって異なる |
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キャリア選択におけるAIの影響 |
25%–39% |
テクノロジーがキャリア選択に与える影響は、ますます大きくなっている |
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副収入を求める人の割合 |
47%–71% |
収入に対する考え方や行動も、国によって異なる |
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日本 |
調査対象外 |
日本は調査対象外のため、ASEANとの直接比較は行っていない |
ASEANのキャリア市場は国によって異なる
シンガポール、ベトナム、インドネシアなどASEANでのキャリアを考える際には、採用環境や転職の動き、働く人々の意識は国によって異なることを理解しておく必要があります。
転職意向は、シンガポールが13%で最も低く、インドネシアが29%で最も高い結果となっています。一方、消費者の楽観度はベトナムが48%で最も高く、シンガポールは26%となっています。
これらの数値は、各国の市場環境を知るための参考情報であり、個々の仕事の良し悪しを示すものではありません。どの国で働くかを決める材料というより、今後のキャリアについて考える際の参考として活用できます。
キャリアを考えるうえでAIの存在感が高まっている
ASEAN6市場では、転職を検討している人の25%〜39%が、AIや自動化を転職を考えるきっかけとして挙げています。中でもベトナムが39%と最も高く、シンガポールが32%、インドネシアが30%となっています。
この調査では、回答者がAIや自動化による変化への不安、新しい仕事への関心、あるいはその他の理由から転職を考えているのかまでは明らかになっていません。そのため、AIがキャリア選択に影響していることは示されていますが、その背景にある理由までは判断できません。
テクノロジーに関連する経験を持つビジネスパーソンにとって、こうした傾向は、変化の速いASEAN事業に関わるポジションを検討する際の参考になります。
収入に対する考え方や行動も国によって異なる
ASEAN6市場では、消費者の47%〜71%が、本業以外にも追加の収入を得ようとしていると回答しています。
日本については同様の調査データがないため、こうした傾向が日本より一般的かどうかを比較することはできません。
海外でのキャリアを検討する際には、収入やキャリアに関する考え方や行動がASEAN各国で異なることを踏まえ、報酬や生活費、職務の範囲とあわせて確認することが重要です。
ASEANでのキャリアを考える際のポイント
1. 「ASEAN」ではなく、具体的な国について調べる
現地の採用環境や産業の特徴、必要な言語スキル、職務に求められる役割を確認しましょう。
2. ポジションが現地向け・地域向け・日本向けのどれに当たるのかを確認する
同じ会社の中でも、求められる能力や関係者からの期待は大きく異なる場合があります。
3. AI関連のスキルを強みとして活かす
Reeracoenでは、一般的なAIスキルをアピールするのではなく、テクノロジーを活用してどのように業務改善につなげているかを具体的に示すことを推奨しています。
4. 採用を厳選する傾向がそのポジションにどう影響するか確認する
ASEAN6市場では、企業が採用を厳選する傾向が強いため、そのポジションを募集している背景や、どの程度のスピードで採用を進める予定なのかを確認することが重要です。
5. ASEAN全体の傾向だけで転職を判断しない
市場の楽観度や人材の流動性が高くても、それが必ずしも個人にとってより良いキャリアにつながるとは限りません。仕事内容や報酬、成長機会、自身の状況を総合的に考えることが重要です。
よくあるご質問
この調査には日本人のビジネスパーソンも含まれていますか?
いいえ。調査対象はASEAN6市場の消費者および企業のビジネスリーダーで、日本は含まれていません。
ASEANの中で最もキャリアの流動性が高い国はどこですか?
転職意向はインドネシアが29%で最も高く、シンガポールが13%で最も低い結果となっています。
最も楽観的な見方を示している国はどこですか?
調査対象の6市場では、ベトナムの消費者の楽観度が48%で最も高くなっています。ただし、これは市場全体の傾向を示すものであり、より良い仕事の機会が得られることを保証するものではありません。
ASEANでキャリアを考える際、AIはどの程度影響しているのでしょうか?
転職を検討している人のうち、AIや自動化をキャリアを考えるきっかけとして挙げた割合は、市場によって25%〜39%です。ベトナムが39%、シンガポールが32%、インドネシアが30%となっています。
このデータを使って、ASEANのほうが日本より自分のキャリアにとって良いかどうかを判断できますか?
いいえ。この調査には日本との比較データが含まれていません。ASEAN各国の違いを知るための参考にはなりますが、日本とASEANのどちらがより自分に合っているかを考えるには、仕事内容や市場環境、自身がキャリアで重視することなどもあわせて確認する必要があります。
詳しい調査結果や市場別の比較、2026年のASEANの見通しは、レポート全文でご確認いただけます。
ASEANでのキャリアを検討している方へ
海外勤務やASEANに関わるキャリアを検討している方は、求人情報だけでなく、各国の市場環境についてもReeracoenまでお気軽にご相談ください。
著者について
Valerie Ong(ヴァレリー・オン)/ Reeracoen Group Regional Head of Marketing
Valerieは、アジア全域におけるReeracoenのコンテンツおよび市場分析を統括しています。リクルートメントコンサルタントと連携しながら、採用データや給与水準、労働市場の動向を、企業や求職者に役立つ実践的な情報として発信しています。情報発信にあたっては、Salary Guide、Hiring Pulse、Hiring Manager Surveyなど、Reeracoen独自の調査データも活用しています。
参考文献
本記事に掲載されている調査データおよび市場比較は、上記の資料をもとにしています。実務上の提言や今後の見通しに関する内容については、Reeracoenによる編集上の解釈であり、調査によって得られた結果とは区別して記載しています。
免責事項
本記事は、一般的な情報提供を目的としており、公開時点で得られた調査結果および市場動向に関する見解に基づいています。事業環境、採用動向、キャリアの成果は、市場、業界、個々の状況によって異なります。本調査の結果は、将来の採用、投資、収入、または経済的成果を保証するものではありません。




