ベトナム事業の成長に伴い、日本人駐在員中心の体制をいつ見直すべきか

September 04, 2026 13:31

 

ベトナム事業の成長に伴い、日本人駐在員中心の体制をいつ見直すべきか

ベトナム事業の成長に伴い、多くの日本企業が、日本人駐在員を中心とした管理体制を見直す時期を迎えます。事業拡大に伴って、必要な人員も増えていきます。しかし、当初の採用計画では、事業に必要な人材を十分に確保できなくなることがあります。

そこで、日本本社には次のような問いが生まれます。

 

「今も日本人駐在員を中心とした管理体制を続けているのは、それが自社の事業にとって最適だからなのか。それとも、単に誰も体制を変える決断をしてこなかったからなのか。」

 

これは、単なるベトナム現地法人の人事課題ではありません。ベトナム事業を今後どのような体制で運営していくのかという、日本本社が向き合うべき経営課題です。

多くの企業では、この問題について明確に判断するのではなく、現状の体制をそのまま続けることで、結果的に答えを先送りしてしまっています。そして実際に見直しが行われる頃には、判断を先送りしたことによる影響が、有望な候補者の取りこぼし、事業目標の未達、駐在員管理職への過度な負担といった形ですでに表れていることも少なくありません。

 

Reeracoenは2026年、ベトナム人材254名と、ベトナムで事業を展開する企業51社を対象に調査を実施しました。本調査の目的は、駐在員中心の経営体制から現地人材主体のマネジメントへ移行する際の意思決定に、客観的な根拠を提供することです。

この記事では、次の3つの視点から考えていきます。

  • いつ現地人材にマネジメントを任せるべきか
  • 現地人材中心の体制へ移行するかを判断する前に、ベトナムの人材市場について何を理解しておくべきか
  • 移行後、日本本社は現地リーダーとどのように連携すべきか

 

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主な調査結果

•ベトナム人材の75%が、国内企業よりも外資系企業で働くことを希望しています。一方、国内企業を希望する人は5%、どちらでもないと回答した人は19%でした。

•海外勤務に関心のあるベトナム人材の間では、日本が最も希望の高い就業先となりました。ヨーロッパ、シンガポール、オーストラリアを上回り、日本が単独1位となっています。

•Reeracoenがベトナムで調査した企業の61%が日系企業で、そのうち74%が従業員200名未満でした。つまり、これは大企業だけの話ではなく、中堅・中小規模の企業にとっても重要なテーマです。

• 調査対象企業の69%が、2026年に採用を増やす予定です。内訳は、55%が「緩やかに増やす」、14%が「大幅に増やす」と回答しています。一方、従業員数を減らす予定の企業は10%にとどまります。

(出典: Reeracoen Vietnam Worker Sentiment Study 2026(n=254);Reeracoen Vietnam Employer Hiring Study 2026(n=51))

 

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日本本社は、駐在員中心の体制を続けるべきか、それとも現地人材にマネジメントを任せるべきか?

ベトナム進出当初は、日本人駐在員を中心とした管理体制が、多くの日本企業にとって適切な選択肢となります。

事業がまだ立ち上げ段階にあるうちは、日本本社に近いところで品質管理を行いやすく、現地での業務運営を任せつつも、十分な信頼関係が築かれる前に重要な判断まで全面的に委ねる必要がありません。進出後1〜2年程度であれば、この体制が大きく間違っていることは少ないでしょう。

一方で、日本本社にとって本当に難しいのは、いつその体制が事業を支えるものではなく、逆に事業の成長を制約するものへ変わったのかを見極めることです。

その移行時期をすでに過ぎている可能性を示すサインは、主に3つあります。

サイン1.増え続ける駐在員コストはその価値に見合っているか

駐在員には、給与に加えて住宅手当や赴任・交代に伴う費用がかかります。こうしたコストは事業規模が拡大しても減るわけではなく、駐在員の人数にほぼ比例して増えていきます。ベトナム拠点の人員が増えるのに伴って駐在員の管理層まで比例して増えているのであれば、現在の体制は、事業を管理するための仕組みというよりも、コストを押し上げる要因になっている可能性があります。

 

サイン2.日本本社の承認待ちが、事業拡大の妨げになっていないか

新たに日本人駐在員を配置する場合、日本本社での人選や承認、赴任準備など、現地採用にはない社内プロセスが必要になります。

もしベトナム事業の成長スピードが、市場の需要や採用できる人材の有無ではなく、日本本社がどれだけ早く駐在員の配置を承認し、赴任させられるかによって左右されているのであれば、本社側の意思決定プロセスそのものが事業拡大の足かせになっている可能性があります。

 

サイン3.組織に知識やノウハウが蓄積されていない

日本人駐在員の赴任期間は、一定の期間が設けられることが一般的です。ベトナム拠点ですでに2回目、3回目の駐在員管理職の交代を迎えているのであれば、重要な意思決定の背景や経緯が、現地にきちんと引き継がれているかを確認する必要があります。駐在員が交代するたびに、そうした知識まで失われていないでしょうか。

もしそうした知識が十分に蓄積されていないのであれば、それは、新たな駐在員を送り込むことよりも、現地リーダーが継続して組織運営を担う体制が必要になっていることを示す重要なサインです。

また、日本企業の経営層にとっては少し耳の痛い問いかもしれませんが、「なぜ、まだ現地人材を中心とした管理体制に移行していないのか」をあらためて考えてみることも重要です。その理由が明確な事業上の判断に基づくものであれば、現在の体制を続けることには合理性があります。

一方で、実際には「これまで誰もその判断をしてこなかったから」という理由に近いのであれば、体制を見直すべきタイミングは、すでに過ぎている可能性があります。そして、判断を先送りする期間が長くなるほど、採用の難しさやコストの増加、現地での意思決定の遅れといった影響も積み重なっていきます。

 

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現地人材中心の管理体制へ移行する前に、日本本社が理解しておくべきベトナムの人材市場

 

日本本社が自信を持って現地人材中心の管理体制へ移行するには、まず、ベトナムの人材市場では、どのような企業や働き方が評価されているのかを正しく理解する必要があります。こうした市場の特徴を把握しているかどうかが、現地人材にマネジメントを任せる体制を成功させるうえで重要だからです。

Reeracoenの「Vietnam Worker Sentiment Study 2026」では、ベトナム人材の75%が、国内企業よりも外資系企業で働くことを希望していることが分かりました。一方、国内企業を希望する人は5%、どちらでもよいと回答した人は19%でした。

この結果を見ると、日本企業の経営層は、「日系企業というブランドだけで人材を惹きつけ、定着させることができる」と考えてしまうかもしれません。将来的に現地事業を担う管理職の採用や定着についても、同じように捉えてしまう可能性があります。

しかし、それだけでは十分ではありません。日系企業としてのブランド力だけを前提に現地人材への権限移行を進めても、期待した成果につながらない可能性があります。

 

同調査では、ベトナム人材が外資系企業を希望する理由についても調査しています。主な理由は給与ではなく、特に次の3つでした。

• 日々の組織運営やマネジメントのあり方 

• 明確なキャリアパスが示されていること 

• 働く環境や条件の良さ 

これは、日本本社が現地人材にマネジメントを任せるかどうかを判断するうえで重要なポイントです。

現地リーダーにマネジメントを任せるのであれば、単に役職を与えるだけではなく、適切な組織運営を行い、社員に明確なキャリアアップの道筋を示せるだけの環境や権限を与える必要があります。

また、外資系企業への高い関心の中でも、日本は特に強いポジションにあります。海外で働くことに前向きなベトナム人材の間では、日本が最も希望の高い就業先となっており、ヨーロッパ、シンガポール、オーストラリアを上回っています。

これは、日本企業にとって大きな強みです。

ただし、その魅力は親会社の知名度や「日系企業」というブランドだけで自動的に維持されるものではありません。現地人材中心の体制へ移行した後も、明確な組織運営やキャリアパスを示し、現地リーダーが実際に力を発揮できる環境を整えることが重要です。

こうした体制が十分に整っていなければ、日本企業がベトナム人材から得ている現在の優位性も、徐々に失われていく可能性があります。

 

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現地人材中心の体制への移行は、大企業だけの課題ではありません

Reeracoenの「Vietnam Employer Hiring Study 2026」では、調査対象企業の61%が日系企業で、そのうち74%は従業員200名未満でした。この数字から分かるのは、現地人材にマネジメントを任せるかどうかという課題が、大企業だけのものではないということです。現在、中堅・中小規模の日系企業でも、現地人材中心の体制へ移行するかどうかの課題に向き合っています。

本記事で取り上げている、体制移行の際に起こりやすい課題や、いつ現地人材中心の体制へ移行すべきかという問題は、企業規模にかかわらず、ベトナムで事業を展開する多くの日系企業に共通するテーマだと言えます。

 

また、これらの企業では、今後も採用を拡大する動きが見られます。調査では、69%の企業が2026年に従業員数を増やす予定と回答している一方、人員を減らす予定の企業は10%にとどまりました。

この結果は、日本本社が、現地人材中心の管理体制へ今移行すべきか、それとももう少し待つべきかを判断する上でも重要です。

市場が成長し、競合企業も採用を拡大しているなかでは、体制の見直しを先送りすること自体が、競争上の不利につながる可能性があります。

欧米系の多国籍企業を含む競合各社が、現地リーダー候補の採用や育成を進める一方で、日系企業では、依然として重要な意思決定をその都度日本本社に確認しているケースもあります。

 

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現地人材にマネジメントを任せた後、日本本社はどう連携すべきか

現地リーダーを昇進させたり、外部から採用したりしただけで、体制移行が完了するわけではありません。むしろ重要なのは、その後、日本本社と現地の管理職がどのように役割を分担し、連携していくかです。

この部分は、実際にはうまく設計されていないケースも少なくありません。

現地人材中心の体制がうまく機能するケースと、表面上は問題がなくても実際には機能していないケースを分ける、3つの重要なポイントがあります。

 

1. 現地管理職が決めてよいことを曖昧にせず明確に定める

日本企業では、合意形成や組織内の上下関係が比較的明確である一方で、本社と現地リーダーの間で「誰が、どこまで意思決定できるのか」が、明確に整理されていないケースもあります。こうした曖昧さは、決して小さな問題ではありません。

 

現地の管理職や、彼らが採用しようとしている候補者からは、「現地人材に任せると言っていても、実際には権限が移っていないのではないか」と受け取られる可能性があります。そのため日本本社は、現地リーダーが独自に判断できる事項と、本社の承認が必要な事項を明確に文書化する必要があります。また、この権限分担は、問題や対立が起きたときだけ見直すのではなく、あらかじめ決めたタイミングで定期的に確認・見直すことが重要です。


 

2.問題が起きたときだけではなく、定期的なコミュニケーションの仕組みをつくる

日本本社がベトナム拠点と関わるのが、何か問題が起きたときだけになっていると、現地リーダー側は、本社とのやり取りを避けるために、共有する情報を選ぶようになる可能性があります。

しかし、それでは、本社が本来必要としている透明性の高い情報共有とは逆の状態になってしまいます。

そのため、問題発生時の報告とは別に、あらかじめ予定された定期的なコミュニケーションの機会を設けることが重要です。

そうすることで、日本本社は現地の状況を継続的に把握しやすくなり、同時に現地リーダーに対しても、問題が起きた後だけではなく、日常的な判断についても信頼されているというメッセージを伝えることができます。

 

3.肩書きだけでなく、実際に組織を動かせる権限を与える

調査結果から、ベトナム人材が重視しているのは、明確なキャリアパスと、組織運営や権限の明確さであることが分かっています。

そのため、現地リーダーに、キャリアパスや組織運営のあり方に関与できる実質的な権限がなければ、その人自身がどれだけ優秀であっても、部下を定着させることは難しくなります。

現地リーダーに肩書きだけを与え、十分な権限を持たせなければ、現地人材中心の体制へ移行することで解決しようとしていた人材定着の問題を、かえって招く可能性があります。

 

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体制移行で起こりやすい問題:日本本社があらかじめ想定しておくべきポイント

Reeracoenがこれまで日系企業の体制移行を支援してきた中で、繰り返し見られた課題は3つあります。

日本本社は、問題が起きてから対応するのではなく、あらかじめこうした課題を想定し、対応策を考えておくことが重要です。

 

1.日本本社で承認した給与水準は、すぐに現地市場と合わなくなる

ベトナムの給与水準は、特に専門職や管理職候補のポジションでは、日本と比べて年単位での変化が大きい傾向があります。

海外進出時の事業計画の一環として承認した給与体系が、現地で実際に採用を始める頃には、すでに1年ほど前の水準になっていることがあります。 特に、承認から実際の採用開始までに時間が空いた場合は、その可能性が高くなります。これは、よく見られるものの、本来は避けられる問題です。

日本本社が一度承認した給与水準を、その後も固定された基準として扱っている間にも、ベトナムの給与市場は変化し続けています。

 

2.日本本社が採用期間を短く見積もってしまう

ベトナムでは、専門職やバイリンガル人材の採用に、日本側の担当者が想定するよりも長い時間がかかるのが一般的です。

日本本社が現地リーダーに対して、日本市場と同じような採用スケジュールを求めると、そのプレッシャーから採用プロセスの終盤で判断を急ぎ、妥協した採用につながることがあります。時間をかけて適切な人材を探すよりも、採用を急いだ結果、かえって望ましくない判断につながることがあります。


 

3.日本本社の意思決定の遅さが、候補者辞退につながる

欧米系の多国籍企業を含め、複数社からのオファーを比較している候補者は、必ずしも最も高い給与を提示した企業ではなく、より早く採用の意思を示した企業を選ぶ傾向があります。

日本企業の合意形成を重視する意思決定プロセスは、競合企業と比べて時間がかかりやすく、その結果、候補者を逃してしまうことがあります。ただし、こうした機会損失は日本本社からは見えにくいのが実情です。候補者が明確に不満を伝えるのではなく、静かに選考を辞退する形で表れるためです。  

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ここまでの内容を踏まえ、日本本社が確認すべきポイント5つ

1. 3つのサインを年次レビューを待たず今四半期のうちに確認する

駐在員コストの増加、採用のボトルネック、組織への知識の蓄積という3つのサインを、年次レビューまで待たず、現在のベトナム拠点の状況に照らして確認します。

 

2. 体制を移行する場合は、事前に現地リーダーの権限を明確にする

現地人材中心の管理体制へ移行する必要があると判断した場合は、問題や対立が起きてから話し合うのではなく、移行前に、現地リーダーがどこまで意思決定できるのかを明確に文書化します。

3. 現地採用を進める前に、最新データで給与水準を見直す

ベトナムで新たな現地採用を承認する前に、その年の最新データを使って給与水準をあらためて確認します。進出当初の事業計画で設定した給与水準を、そのまま使い続けることは避けます。

4. 本社と現地リーダーの定期的なコミュニケーションの仕組みをつくる

問題が起きたときの緊急報告とは別に、日本本社と現地リーダーが定期的に情報共有できる機会を設けます。

5. 今は移行しない場合も、次の見直し時期を決めておく

現時点では現地人材中心の管理体制へ移行する必要がないと判断した場合でも、結論を無期限に先送りせず、次に見直す時期を明確に決めておきます。

体制をどうするか決めないままにしておくことも、それ自体が一つの意思決定です。そして多くの場合、それは適切な選択とは言えません。

 

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ベトナム事業の管理体制を見直したい企業様へ

Reeracoen Japanでは、ベトナムをはじめとするアジア各国で、現地人材中心の管理体制への移行を検討している日本本社を直接支援しています。

ベトナムの人材市場に精通したReeracoenのコンサルタントと連携し、現地の採用市場に関する知見と、日本本社の意思決定プロセスへの理解を活かして、各社の状況に応じた支援を提供しています。

現在の管理体制や現地管理職の採用については、Reeracoen Japanのコンサルタントまでご相談ください。

 

企業様向けお問い合わせ

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ベトナムの日系企業で働きたい方へ

ベトナムで事業を展開する日系企業の管理職・専門職ポジションに興味がある方には、Reeracoenのネットワークを通じて、ご経験やご希望に合った求人をご紹介しています。

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よくある質問

ベトナム拠点で、日本人駐在員中心の体制を見直すタイミングはいつですか?

主に3つのサインがあります。

1つ目は、駐在員にかかるコストの増加が、駐在員を配置することで得られる価値を上回り始めていることです。

2つ目は、日本本社の承認プロセスが、採用や事業拡大のスピードを遅らせていること。

3つ目は、駐在員が交代するたびに、現地組織から知識やノウハウが十分に蓄積されていないことです。

 

もし、「なぜ今も日本人駐在員中心の管理体制を続けているのか」という問いに対して、明確な事業上の理由を挙げられないのであれば、意図的に現在の体制を選んでいるのではなく、明確な判断をしないまま体制変更を先送りしている可能性があります。

 

現地人材中心の体制へ移行した後も、日本本社が強く管理すべきでしょうか。それとも、現地に全面的に任せるべきでしょうか?

どちらか一方に極端に振れるのは、望ましいとは言えません。Reeracoenの調査では、ベトナム人材は、組織運営の明確さとキャリアパスを重視していることが示されています。そのため、現地リーダーが十分に役割を果たすには、肩書きだけでなく、実際の意思決定権を持ち、その範囲が明確に文書化されていることが重要です。

日本本社は、現地リーダーが自ら判断できる事項と、本社の承認が必要な事項を明確に定めたうえで、問題が起きたときだけではなく、定期的にコミュニケーションを取る仕組みを設けることが重要です。

 

ベトナムで現地人材中心の体制へ移行することは、主に大企業だけの課題なのでしょうか?

いいえ。Reeracoenのデータは、むしろその逆を示しています。ベトナムで調査対象となった日系企業の74%は、従業員200名未満の企業でした。つまり、現地人材にマネジメントを任せるかどうかという判断は、大企業だけのものではありません。この事から、現地化は大企業だけではなく、中堅・中小規模の日系企業にとっても重要なテーマであることが窺えます。

 

ベトナム人材は、実際に日系企業で働きたいと考えているのでしょうか?

Reeracoenの2026年の調査では、海外で働くことに前向きなベトナム人材の間で、日本が最も希望の高い就業先となっており、ヨーロッパ、シンガポール、オーストラリアを上回っています。

ただし、この日本への好意的な評価は、無条件に続くものではありません。

その評価を維持・強化するには、明確な組織運営、キャリアパス、働く環境を整える必要があります。「日系企業だから」というブランドイメージだけに頼るべきではありません。この点は、日本本社が現地リーダーにどこまで権限を与えるかを判断するうえでも重要です。

 

日本本社が、ベトナムで現地人材中心の管理体制へ移行する際に最も陥りやすい失敗は何ですか?

役職だけを与え、実際の権限は移さないことです。Reeracoenの採用支援の経験では、肩書きは与えられていても、実質的な意思決定権を持たない現地リーダーは、部下を定着させることに苦労する傾向があります。Reeracoenのデータでは、ベトナム人材が特に重視しているのは、明確な組織運営とキャリアパスであることが示されています。そして、そのどちらを実現するにも、現地リーダーに実質的な権限が必要です。________________________________________

著者について

Valerie Ong(ヴァレリー・オン)/Reeracoen Group Regional Head of Marketing

アジア全域におけるReeracoenのコンテンツおよびマーケットインサイトを統括。採用コンサルタントと密接に連携し、採用データ、給与ベンチマーク、労働市場の動向を、企業や求職者が実際の意思決定に活用できる情報へと落とし込んでいます。

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参考文献

Reeracoen Vietnam. (2026). Vietnam Worker Sentiment Study 2026 (n=254, with Rakuten Insight)

Reeracoen Vietnam. (2026). Vietnam Employer Hiring Study 2026 (n=51)

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免責事項

本記事は、公開情報および公開時点で信頼できると判断したReeracoen独自の調査結果に基づいて作成されています。

本記事は、一般的な情報提供および参考情報の提供を目的とするものであり、個別の人事、法律、財務に関する専門的な助言を提供するものではありません。

事業や雇用に関する重要な意思決定を行う際は、ご自身の状況に応じて、必要に応じた専門家への相談をご検討ください。

また、市場環境は変化する可能性があり、本記事の内容は公開時点で入手可能なデータに基づいています。